チュウヒってどんなタカ?
チュウヒについて
チュウヒは全長が50~60cmほど、カラスと同じくらいでトビよりも一回り小さいタカです。チュウヒは日本で唯一、ヨシ原などの地上に巣を作ります。両翼をV字型に保つ独特な姿勢で、広い草原やヨシ原、田畑などの上をゆっくり低く飛びます。チュウヒは季節によって移動もします。北海道や東北で春から夏を過ごし、秋から冬にかけては南で過ごします。また、(ユーラシア)大陸から渡ってくるチュウヒもいます。
大潟村のチュウヒ
2010年1月にNHKの自然番組「ダーウィンが来た!生きもの新伝説」で大潟村のチュウヒが特集されて大きな反響を呼びました。撮影取材スタッフは1年をかけて調査を行い、22巣が見つかり、7巣で繁殖が成功しました。それまでチュウヒは日本国内での繁殖つがい数が50つがい程と考えられていましたから、大潟村は国内最大規模のチュウヒの繁殖地として、一躍脚光を浴びることになりました。
かつては汽水湖の底だった大潟村ですが、ヨシ原などの自然環境を積極的に残し、農薬を減らすなど生産者の地道な努力とあいまって、チュウヒを頂点とする野鳥たちの暮らしに適した、「田畑がはぐくむ野鳥の楽園」に生まれ変わったのです。
チュウヒに迫る危機
全国的にみるとチュウヒの生息は危機的状況です。チュウヒが好むヨシ原や草原環境が、埋め立てや再開発などにより、急激に失われようとしているのです。チュウヒは国のレッドデータブックで絶滅危惧IB類(近い将来絶滅する危険性が高い)に指定されていますが、具体的な保護策はとられていないのが現状です。
環境省レッドリスト(2014) 絶滅危惧IB類
秋田県レッドデータブッ(ク2016) 絶滅危惧IB類
繁殖を放棄したチュウヒの巣